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by bedlam041

重力ピエロ / 伊坂 幸太郎

重力ピエロ (新潮文庫)
伊坂 幸太郎 / / 新潮社
ISBN : 4101250235
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兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは―。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。


※ネタバレ注意※

『ラッシュライフ』に続き伊坂作品を読むのは2作目。
『ラッシュライフ』は複数の主要人物が複雑に絡み合う作品だったのですが、
今作は登場人物は少なめで話が進んでいきます。


正直上の書評にあるような「圧倒的な真実」「未知の感動」「小説の奇跡」は
言い過ぎかなぁと思うのですけれど、
でもこんな奇妙な読後感の作品は初めてでした。
別にいろいろ考えさせられる小説ってわけでもないし、
涙を流すほどの感動もないのですが…
とにかくよく作り込まれていて、作者の術中にハマる不思議な作品。
よくよく考えれば当たり前の展開も、主人公と弟の性格と背景が
きちんと練り上げられているから、「なーんだ」とはなりませんでした。


『ラッシュライフ』文庫版解説で、『重力ピエロ』や他の伊坂作品に、
『ラッシュライフ』の登場人物が出てくるよってあったので、
楽しみにしていたのですが、
『重力ピエロ』に出てくる「神様のレシピ」って言葉がいつまでも心に残ります。


ちなみに伊坂さんは小説家になる前はサラリーマンだったらしく、
そのせいか会社勤めの表現がやたらリアルでおもしろいです。
次は『オードゥボンの祈り』あたりを攻めてみようか。
by bedlam041 | 2008-11-24 10:19 | Book