DESIGN TOUCH 2011 (5)
2011年 11月 13日
医療システムもGood Designに入るの?!とびっくりしたのがこの候補。
独立行政法人放射線医学総合研究所というガン治療の研究所で、
ハコモノと治療にに「おもてなし」の概念を取り入れた、デザインと医療の融合。
治療中に、医療スタッフがなるべく患者さんの近くにいられるよう
導線設計やモニターの配置にも工夫がされていたり、
待ち時間を感じさせない空間設計がされていたり、患者さんのためのシステム。
それから、医療スタッフにとってもスムーズなカルテ管理、待合室状況の把握ができるような
システムがあったりと、患者さんもスタッフもHappyなシステムでした。
なるべく通いたくない。行くと嫌な思いをする。
ネガティブな印象ばかり抱きがちな医療の世界に、
「わかりやすさ」「ここちよさ」という感性を持ち込むと、こんなにいいことがあるよ!
という一例だと思いました。
■5■Kinect for Xbox 360®
すみません、ゲームに興味がなくあんまり覚えてないのですが...
コントローラーいらずで楽しめるゲーム。
こういうのってどこまで感度がいいかがカギですよね。
(ちょっとでも思うとおりに動かないと、途端にイライラしそう...)
プレゼンの中で、設計者やデザイナーが肝に銘じておかないといけないセリフが。
人が技術を理解するのではなく、技術が人の意図を理解(反応)すること。
私たちは作り手側の事情は死ぬほどいっぱいあるのだけど、
使う側の事情ってあまり理解したがらないような気がする。
(理解するには膨大な時間と知識が必要だし、それを製品に反映させるには
これまた膨大な労力が必要で、作り手側の事情を考慮する方が楽なので。)
「直感的な製品」っていうのも最近よく気軽に聞く言葉なんだけど、
一朝一夕には叶わないものなんだよね。
この分野のプロフェッショナルになりたいなぁと思います。
■6■東日本大震災でのインターナビによる取り組み「通行実績情報マップ」
大賞受賞候補。
プレゼンも一番良かった。
Hondaのカーナビ「インターナビ」を利用して、
前日に通行実績があったルートをマーキングするシステム。
通行可能かどうかが一瞬で判断できるので、東日本大震災での物資の運搬や
ボランティアの方々の通行に役だったそうです。
震災当日から翌日にかけてほぼ徹夜でデータを収集し、
翌日午前中にはマップを完成させて、しかもオープンフォーマットで公開させたそうです。
「震災当日、“とにかくいち早くなんとかしなくちゃいけない”との思いと、インターナビ会員140万人の皆様のおかげで出来上がったものです。人と車、車と社会が結びついた、“つながるクルマ”の新しいデザインだと思います」
という担当者のコメントが表す通り、人と人との「つながり」は
こんなところにも生きてくるのだなぁと、カーナビの新たな可能性を感じさせました。
次の記事では、そのほかの候補作の写真も...。