食品の裏側―みんな大好きな食品添加物 / 安部 司
2010年 01月 04日
食品添加物商社の元セールスマンは『食品の裏側』の中で、毎日の食に潜む危険性を指摘する。我々は食品添加物の特性についてあまりにも無知だと主張。その毒性ばかりを煽り立てる報道は良くないとしながらも、ラーメンやハム・ソーセージ、明太子など人気の食品の一部が、無害とは言えない添加物にまみれている実態を次々に明らかにする。添加物の大量摂取によって「子供たちの舌が壊れていく」と警鐘を鳴らす。
2010年、最初の本のレビューがコレでなんだか申し訳ないのですが...。
今年は食生活をもっと良くしていきたいなと思い、年始に読んでみました。
加工食品、スーパーのお惣菜、冷凍食品、お菓子。
とても便利でそこそこおいしいのですが、
なんでそんなに日持ちが良くて扱いやすくて色が良くてふわふわサクサクなのか。
答えは全部添加物。
お醤油味のインスタントラーメンにお醤油は一滴も入っていないとか、
色が悪くてよぼよぼな明太子を一晩添加物のプールに浸すだけで
ぷりぷりーな明太子に生まれ変わるとか、
大安売りのハムは、プリンハムといって水でかさ増しして添加物で固めたものだとか、
コーヒーなどについてくる小さいコーヒーフレッシュは
油と水と乳化剤や添加物だけで、ミルクは一滴も入っていないとか、
いろいろ読んでいてショッキングだけど、よくよく考えればそうだよなーって
事実が満載で、とっても、とっても参考になりました!
(たとえば、コーヒーフレッシュは本来はミルクのはずなのに、
常温保存できるって変だよねぇとか、
同じハムでも値段に相当開きがあるのは変だよねぇとか、
お惣菜のトンカツは安いのに時間が経っても異様にサクサクだなぁとか)
安部さんは元々科学屋さんでしたが、それよりはバリバリの営業マンさんだったので、
(次々とヒット商品を生み出し、「自分が日本の食生活をもっと便利にする!」
と意気込んでいらっしゃった時期もあるそうです)
難しい用語は抜きに、易しい口調で添加物の持つ本当の危険性について説いてくれます。
決して発がん性だとか健康に悪いとかそういうデメリットだけでなく、
味覚破壊や「食べ物は簡単に出てくる!」という子供への刷り込みが問題だとか。
もちろん添加物が100%悪者ってわけではないし、
超マクロビオテックでオーガニックな生活を送っているのでなければ
口に入れるのは避けられないものです。
だけど、安物に飛びついちゃう前に、クルッと手首を返して
添加物を確認して、それから買うほうが、だんなさんや子供の味覚にはいいはず。
数十円安い食材を買ってやりくり上手☆な奥さんよりは
そっちのほうが絶対良妻賢母だよなぁ、と思います。
それで子供ができたら、一緒に魚をさばいたり、家庭菜園をしたり、料理を作ったりして
食のありがたさを共有したいです。
…という、新年早々なかなか参考になる本。
ちなみに、今日スーパーでちらし寿司のもとを買いましたが、
30円安い商品には果糖ぶとう糖液糖が入っていました。こういうことか…