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by bedlam041

利休にたずねよ

利休にたずねよ

山本 兼一 / PHP研究所



おのれの美学だけで天下人・秀吉と対峙した男・千利休の鮮烈なる恋、そして死。




直木賞シリーズ第2弾(笑)
ちょっとボリュームがありそうだったので夏休みの課題図書にしていたのですが、
以外にもサクサク読める。
いや、スリリングで息をもつかせぬ展開だからというわけではなく、
美しい茶器や情景に飲み込まれて、すうっとイメージできたからかもしれません。


話は利休が切腹を命じられた当日から始まり、
その前日、3日前、1ヶ月前…とどんどんさかのぼっていき、
しかも利休の妻や秀吉、細川忠興や徳川家康、黒田勘兵衛などなど
様々な歴代の人物の視点から利休の人物像を紐解いていくという形を取っています。
(何度か利休が一人称で登場する章もあり)
なので、徐々に利休が青臭くなっていくのが分かる。


わたしは全く茶道に造詣がないのですが、それでも戦国時代の侘び茶の考え方は好きで、
確かに茶道は人を惑わせるなぁと思わせる作品。
日本的な美しさって、素敵!!と再確認しました。


でも、利休を一生狂わせるほどの動機がたった一人の女、
たった数日の恋っていうのはちと苦しいものが…。
うまくいかなかった恋は本人にとっては狂おしくても、
赤の他人の目からすると、醒めたものなのはいつでも同じってことですかね。


とてもきれいな小説でした。
老後は和室に暮らしたくなります。(単純)
by bedlam041 | 2009-08-20 22:03 | Book